ハンドメイドの値段ってどうやって付ければよいの？
値段の付け方悩みますよね。価格設定の重要性を理解し、持続的に活動を続けるための適正な価格設定の方法を学んでいきましょう！
ハンドメイドの世界に足を踏み入れた際、多くの方が直面するのが「価格設定」の問題です。作品をどのように評価し、価格を付けるかは、作家としてのブランド価値や、お客様との関係性を形成する上で非常に重要なポイントとなります。下記に価格の付け方をまとめてみました。
価格設定の基本計算方法
ハンドメイド作品の価格設定において「原価の3倍」というのは、一般的なルールとして知られていますが、これはあくまで一つの目安であり、全ての作品や状況に適応するわけではありません。
ハンドメイド作品の価格を適切に設定するための基本の式は以下のようになります。
価格 = 原価※ + 利益 + ブランド価値調整
- 利益：売上から原価と経費を引いた後に残る額。再投資や未来の展開のための資金
- ブランド価値調整：作品やブランドの独自性・価値をより正確に価格に反映させる
※原価は以下の式で計算します
原価 = 材料費 + 経費 + (労働時間 × 時給)
- 材料費：作品を制作する際に必要な材料の費用
- 経費：道具や梱包品などの消耗品、宣伝費、光熱費など、制作に関連する間接的な費用
- 労働時間 × 時給：作品を制作するのにかかった時間と、その時間に対する報酬
これらを基本に計算し、市場の相場を考慮しながら価格を決めていきます。
「労働時間×時給」の部分は、技術が向上すれば同じ作業を短時間でできるようになるので、「ブランド価値調整」と合わせて、都度調整していきましょう
安ければ売れる？低価格のままで販売し続けることの影響
低価格設定は、初めは自分の技術にまだ自信がないこともあり、また、「安い」という魅力でお客様を引きつける力があるため、多くのハンドメイド作家さんが取り入れる戦略として考えるかもしれません。
しかし、低価格を追求することは、利益度外視で目先の売上だけを追うことで、活動を持続することが難しく、さらにはあなたの作品や市場全体の価値を低くするリスクを孕んでいます。あなたの作品のクオリティが高くても価格が低すぎると、その価値が正しく伝わらないことも。
結果として、自分の努力やクリエイティビティが適切に評価されない可能性が高まります。価格設定は、作家のビジョンと市場のニーズのバランスを取りながら慎重に行う必要があります。
価格によってお客様の層が変わる
価格はただの数字ではありません。それは作品の価値を示す指標であり、どのような顧客層をターゲットとしているのかを示す重要な要素でもあります。
低価格に設定すると、確かに初めは多くの人々が購入するかもしれませんが、「安いから買う」という価格主義のお客様が増え、作品の真価を理解する顧客の獲得が難しくなるリスクも。
逆に適正価格を設定すると、「他にはない作品だから」と作品の価値を高く評価するお客様が増え、あなたのファンになってくれ、リピーターとして長期的な信頼関係を築くことが可能となります。
趣味として作った商品であっても、それには時間、労力、そして技術が注がれています。「趣味だから」と安く設定するのは、自分の労力を適切に評価しないだけでなく、業界全体の価値を下げる可能性もあるため、慎重に価格を設定しましょう。
趣味でも販売しているのでれば、それは立派な生業です。作品に自信を持ち、その真価をしっかりと伝えることでお客様もその価値を正しく理解し、より高く評価してくれることでしょう
適正な価格で売ることのメリット
ハンドメイド業界の価値を高めることは、私たちハンドメイド作家にとっても大きなメリットがあります。適切な価格設定によって業界の全体的な価値が向上すると、ハンドメイド作品の需要が増え、結果として自分自身の収入の安定や増加が期待できます。
また、ハンドメイドを本業とする生活がより現実的になり、あなたの生活の質や満足度も向上することでしょう。業界の発展は、あなたのハンドメイド作家としての成功にも直結します。だからこそ価値をしっかりと理解して、業界を盛り上げていくという気持ちで価格を設定していきましょう。
価格を付けても売れない場合、お試し価格として最初は安く販売するのもひとつの方法です。一度実績を積み上げ信頼関係を築くことで、その後の適切な価格設定がスムーズに行えます
まとめ
ハンドメイド品は「安いから買う」ではなく、「気に入ったから」「手作りで作られているから」「市販にはない個性的なデザインだから」という方が多いです。
自分の作品を過小評価せず、きちんと原価計算をし適正な価格を付けることで安定した収入が手に入り長く続けられます。また、あなた自身も作家として自信を持つことができ、より飛躍していけることでしょう。
