これって違法?ハンドメイドの著作権・商標権|販売前に知りたい注意点を解説

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こんな時どうしよう?

このデザイン素敵だなって思った作品を参考にして作って売るのって、ダメなのかな?

参考にするのは悪いことではないです。でも”そのまま真似て売る”となると、著作権や商標権にふれてしまうことがあるので、順番に見ていきましょう

ハンドメイドを続けていると、一度は気になるのが「これって売っていいの?」という疑問ですよね。

なかでも多いのが、他の作家さんの作品をお手本にしたり、キャラクターやブランドのデザインを使ったりした作品。かわいくて人気もあるからこそ、「自分も作って売っていいのかな?」と迷う方は本当に多いです。

結論を先にお伝えすると、“真似て売る”=模倣は、著作権・商標権の侵害にあたることがほとんどです。そして大切なのは「違法かどうか」だけでなく、実際にやってしまうと、販売の場で何が起きるのかを知っておくこと。

この記事では、著作権・商標権の基本に加えて、対面販売・ネット販売それぞれの現場で実際に権利ものがどう扱われているかをお話しします。

  1. ハンドメイドの著作権・商標権の基本
  2. どこからが「模倣」になるのか
  3. 対面販売・ネット販売、それぞれの実際の扱われ方
  4. 模倣が見つかった場合に起こること
  5. ルールを守る作家が損をしないために、私たちにできること
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迷いやすいのは「参考」と「模倣」の線引き

ハンドメイド販売で著作権侵害になりやすいケースとOKなケースを5項目で示した図解
  • 他の作家さんの作品をそのまま真似て売る → 著作権侵害になりやすい
  • キャラクター・ブランドのデザインや生地を使った販売 → 権利者の許諾が必要(基本NG)
  • 「○○風」と銘打った販売 → 元の権利を連想させるものはNGになりやすい
  • 市販の既製品に手を加えず売る → そもそもハンドメイドではない(後述
  • 自分でデザイン・制作したオリジナル作品 → OK

迷いやすいのは「参考」と「模倣」の線引き。
次で具体的に見ていきます。

著作権・商標権の基本

ハンドメイド作品にかかわる主な権利

ハンドメイド作品にかかわる主な権利は2つ。

著作権と商標権の違いをイラストでわかりやすく解説した図解
  • 著作権……デザインやイラスト、文章などの創作物を制作した人に与えられる権利
  • 商標権……商品名やロゴ、マークなど、識別のために使われる名称・マークを保護する権利

既存商品のデザインをそのまま模倣して販売したり、企業のロゴやキャラクターを入れた商品を無断で制作・販売したりすることは、これらの権利の侵害にあたります。

有名なところでは、キャラクターものの生地、マリメッコなどのブランド生地を使った制作・販売、ブライス(ドール)をイメージしたドール服、「○○風」と銘打った販売など、企業やキャラクターの名称・デザインを利用した商品は、権利元の許可がないと違法になります。

市販のドールに着せて商品撮影をして販売することも、違法となることが多いです。撮影の際は、必ずその企業に確認し、許可をもらってから行いましょう

商品の名称そのものが商標になっているケースも

ちょっと意外な例として、商品の名称そのものが商標登録されているケースも知っておくといいかもしれません。

例:アンブレラマーカーはOK、めじるしチャームはNG

たとえば、傘やボトルにつけるチャームとして人気のアンブレラマーカー。
おなじ商品を指す、「めじるしアクセサリー」「めじるしチャーム」という言葉は、商標として登録されています

ふだんから何となく使っている言葉が権利として守られている、ということが実はよくあるんです。

どこからリスクになるのか

気をつけてほしいのは、「その言葉を一切使ってはいけない」ということではありません。

問題になりやすいのは、自分の作品の商品名やシリーズ名として前面に出す場合
「めじるしチャーム 〇〇柄」という商品タイトルで売ったり、シリーズ名として使ったりするのはリスクがあります。

一方で、説明文の中で「傘の目印になるチャームです」と普通名詞として書くのは、また別の話です。

安全な言い換え例

商品名・タイトルに使いたい場合は、「アンブレラマーカー」「傘タグ」「ボトルチャーム」のような言い換えを使うと安心です。

知らずに使っていた、という方も少なくないので、一度確認してみてください。

気になる名称が商標登録されているかどうかは、特許庁が運営するJ-PlatPat(特許情報プラットフォーム)で無料で検索できます。
商品名を決める前にサッと調べる習慣をつけておくと安心です。
https://j-platpat.inpit.go.jp/

ハンドメイド販売に係る様々な法律

ハンドメイド制作において、販売を伴わない個人で楽しむ範囲であれば問題はありませんが、作ったものを売るとなると、法律上で気を付けなければならないものが出てきます。
ハンドメイド作家として、以下の最低限の法律を知っているだけでも事前にかなりのトラブルを回避することが可能です。

ハンドメイド販売に必要な許可・手続きのチェックリスト
  • 商標権・著作権の侵害
    著作権と商標権は、知的財産権の一種です。
    【著作権】は、著作物を制作した人に与えられる権利です。【商標権】は、商品やサービスの識別や宣伝効果を高めるために使用するマークや名称を保護する権利のことです。

    これらを侵害しないように注意しましょう。たとえば、既存の商品のデザインそのまま模倣して販売したり、企業のロゴやキャラクターを入れて商品を無断で制作販売することは違法となります。
  • 安全基準の遵守
    ハンドメイド商品が消費者にとって安全であることが求められます。たとえば、赤ちゃんや幼児が使用するおもちゃや子ども服などは、安全基準を満たしていることが必要です。

    このジャンルを制作する際は、充分に気を付けた方が良いです。また、食品などの場合は衛生面にも十分な注意が必要です。
  • 事業登録・許認可の取得
    ハンドメイド制作で収入を得る場合、一定の収入がある場合は個人事業主として事業登録する必要があります。

    例えば、【中古品の材料で作ったハンドメイド品を販売する場合】は古物商許可が必要です。食品を使った商品を販売する場合は、食品を販売をする際には食品衛生法や手続きの必要があります。

商標権・著作権の侵害にならないようにするためには?

先ほどもご紹介しましたが、【著作権】は、著作物を制作した人に与えられる権利です。【商標権】は、商品やサービスの識別や宣伝効果を高めるために使用するマークや名称を保護する権利のこと。

商標権は商品名やロゴなど、著作権はデザインや文章などの創作物に適用されます。
ハンドメイド作品を制作する際には、既存の商標権や著作権を確認することが重要です。商品名やデザインが既存の商標権や著作権に該当する場合は、それを使用しないようにしましょう。

同じような商品が多数存在する場合は、自身の商品を他と区別するために、デザインや色などの差別化を図ることが大切です。

有名なところでは、キャラクターものの生地や、マリメッコなどのブランド生地を使った制作や、ブライス(ドール)をイメージ利用してドール服を製作・販売、○○風など企業やキャラクターの名称を利用した商品販売など、その企業から許可がないと違法になります。

市販のドールに着せて商品撮影をし、販売することも違法であることが多いです。必ず、その企業に確認をして、許可をもらってから撮影しましょう

どこまでが模倣になるのか?

他の作家さんの作品を真似て販売することは、法的にも倫理的にも問題があります。

倫理的には、オリジナリティを大切にするハンドメイドの世界で、他人のアイデアを盗むことは創造性を損なってしまいます。
法的には、他人の著作物を無断で使うことは著作権法違反にあたります。

とはいえ、アクセサリーや布小物などでは、偶然同じパーツや生地を使って似てしまうこともあります。まったく同じでない限り模倣とは言えず、判断が難しいところです。

もし偶然似てしまったときは、公開する前に類似性がないかを確認するのがおすすめ。
デザインを変えられるなら少し変える。

一部でも大きな違いがあれば模倣にはあたりません。
どうしてもそのデザインで出したい場合は、その作家さんに連絡して事情を伝え、一緒に解決策を探る選択もあります。

自分の作品が明らかに模倣された場合(色も形も同じ・新作を出すたびに似たものを出される等)は、著作権侵害や転売の可能性もあります。きちんと調べて、法律に則って対応しましょう

“転売”はそもそもハンドメイド以前の話

ときどき見かけるのが、市販の既製品に手を加えず、そのまま「ハンドメイド」として売るケース。

これは著作権うんぬん以前に、自分で何も作っていない時点で、ハンドメイドとは呼べません。仕入れた商品を売りたいのであれば、フリマアプリなどで「転売品」として出すのが本来の形です。

ハンドメイドの場として作られたイベントやサイトに持ち込むものではありません。

自分の商品のキットとしてパーツを販売するのであれば問題はありません

対面とWEBの権利侵害の扱われ方の違い

権利ものや模倣品がどう扱われるかは、販売する場によって差があります。
ただ共通して言えるのは、「見つかっていないだけ」で許されているわけではない、ということです。

ハンドメイドの対面販売とネット販売で権利侵害品が見つかった場合の違いを比較した図解

ハンドメイドマルシェなどの対面販売の場合

ハンドメイドのイベントやマルシェ、委託先などでは、権利侵害の恐れがある作品はお断り、と規約に明記されていることが多いです。

主催の考え方によって厳しさに差はありますが、規模の大きいイベントほどチェックの目もあります。

出店者が多いと、まれに紛れて売られているのを見かけることもあります。
ただ、見つかれば、その後そのイベントには出店できなくなることが多いです。

一度の販売で、せっかくの出店の機会を失ってしまうのは本当にもったいないです。

ネット販売の場合

ネット販売は、場によって温度差があります。
minneやCreemaのようなハンドメイド専門サイトは規約がしっかりしていて、見つかればアカウントごと停止(BAN)されることもあります。

一方で、フリマアプリのようにチェックが追いつかず、違反品が紛れたままになっている場もあります。

ただ、「並んでいる=OK」ではありません。

通報されれば削除やアカウント制限の対象になりますし、何かの拍子にSNSで取り上げられて広まってしまうこともあります。

そうなると本人もつらい思いをしますし、積み上げてきた信頼やフォロワーも一瞬で失いかねません。「みんな売っているから大丈夫」は、いちばん危ない考え方です。

模倣しないための、参考とのつき合い方

模倣はすべてが悪いわけではありません。

技術やデザインを学ぶために他の作家さんの作品を研究すること自体は大切です。
ただ、それをそのまま真似て販売するとなると、これまで見てきたような問題が出てきます。

練習であっても、完全なコピーは避けて、自分なりのアレンジや工夫を加えること
参考にしつつ、自分のオリジナリティを大切にする。

そうすることで「あなたらしい作品」が生まれ、それが販売につながっていきます。

ルールを守るハンドメイド作家が損をしないために

ここまで読んで、「知らずにやってしまっていたかも…」と感じた方もいるかもしれません。でも大丈夫。気づいた今から変えていけば、何も問題ありません。

もし他の作家さんの作品で気になるものを見かけたとき、いきなり大ごとにする必要はありません。言える間柄ならそっと本人に伝えてあげるのがいちばん。
言いにくい状況なら、各サイトやイベントには違反を知らせるしくみがあります。

こうした販売が黙認されたままだと、その場(イベントやサイト)の信用が落ち、ちゃんと作っている作家さんやお客さんが離れていきます。
出せる場所が減れば、困るのは私たち作家みんなです。

ルールを守って作っている人が報われて、安心して出せる場所が続いていく。
そのために、見て見ぬふりをしない——というのが、長くこの世界にいる作家としての、ささやかな願いです。

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