原価ギリギリの価格設定でも「値段高いわね」と言われ落ち込みました・・・
私も同じ経験をしました。でも価格が高いと言われた時こそ、自分の作品の価値を見直すチャンスだと思ってみてください。むしろ、その価値をちゃんと伝える努力をすれば、共感してくれるお客様は必ず見つかります
自分のハンドメイド作品を「高すぎる」と言われたことはありませんか?
そんな言葉を聞いて胸が痛んだ経験、私にもあります。中には、ハンドメイド作家としての活動を諦めてしまおうか?という方もいらっしゃるかもしれせん。
でも、そんな時こそチャンスと思って販売方法や施策方法を考えてみませんか?私の今までの経験と対処法をご紹介します。
なぜ「高い」と言われるのか
「高い」という感覚は、常に比較から生まれます。
何か基準になるものがあるため、それと比較をして高いと思われている可能性があります。
最近では、ハンドメイド作品の模倣品や似たようなパーツや素材が100均で手に入ることもあり、それらと比較されてしまうことがあります。
また、他の作家さんの似た商品と比べられることもあるでしょう。
私自身、ハンドメイド販売を始めた頃と比べると、今の価格は物価高の影響もありますが3倍以上上げました。最初は趣味だったので、資材代が回収できればいいと思っていましたが、その時でも「高いわね」と言われたこともありました。
資材代程度の値段で売ると、時給0円、技術代0円、利益もゼロ。むしろ赤字で、稼ぐどころか制作活動すら続けられません。
「高い」は価値が伝わっていないサイン
「高い」と言われるのは、多くの場合、作品の価値が十分に伝わっていないだけなのです。
大切なのは、「価格を下げなければならない」と考えるのではなく、「どうすれば作品の価値をもっと伝えられるか」と考え、自信を持って自分の作品の価値を伝えることです。
ただし、中には単に冷やかしで「高い」と言う人もいます。「似たようなの100均で売ってるわよね」「この材料でこんなにするの?」など心無いことを言う方もいるかと思いますが、そういう方はあなたの本当のお客様ではありませんので、気にする必要はありません。
価値を伝えて売るための5つの具体策
1.作品の魅力を言葉で伝える
などをお客様に分かりやすく説明することで、その価格に見合う価値があることを理解してもらえる可能性が高くなります。
2.ビジュアルで魅せる
minneやCreemaなどのサイト販売では写真がとても大切です。
ただ商品を撮影するだけではなく、使っているシーンをイメージできる写真を心がけます。
また、SNSで制作過程をシェアすることも一つの手段です。特に手間のかかる作品は、その作業の流れを見てもらうことで、仕上がりまでにかかる時間や労力が伝わり、結果として商品の価値が高まります。ハンドメイド作家ならではの魅力を伝えるための強力な手段です。
3.ターゲットを見直す
ハンドメイドイベントやマルシェに出店する際は、どんなお客様が自分の作品に興味を持ってくれるかをしっかり見極めることも大事です。
私はイベントに出店する際は、自分の作品の価格帯やターゲット層に合った場所を事前に調べます。
気になったイベントがあれば、そのイベントに出たことがある作家さんに話を聞いてみたり、実際にお客さんとして足を運び、最終的に出店するかどうかを決めています。
またネット販売では、同じジャンルでどんなものが人気なのかを、minneやCreemaなどのハンドメイドサイトなどで調べたり、それぞれのサイトのターゲット層や価格帯も調べて出品する商品を選びます。
4.事前に価格を明示する
ハンドメイドイベントに出店する際は、事前にSNSでお品書きを公開し、価格をはっきり示すようにしています。これにより、お客様が事前に価格を把握でき、興味を持った方が訪れやすくなります。さらに、当日の「予算より高かった…」「用意したお金が足りなかった…」という、がっかり感も減らすことができます。
当日もブースには、すぐ目につく場所に値札を付けています。こうすることで、高くても価値を感じてくれるお客様が来てくれますし、高いと思う方はブースに来ないので販売も笑顔でできるようになりました。
5.入口商品を作る
『商品を松竹梅で3段階で販売しましょう』と、販売心理を利用した方法を聞いたことがあるかと思います。この戦略は、ハンドメイド作品の販売にも非常に効果的です。
もともとの商品の価格を見直しながら並行して、自分も損せず、お客様も買いやすい価格の商品を作ることで、「これなら買える」と購入してくれ、やがてはリピーターとしても定着してくれる可能性が高まります。
私の場合は、5,000円の商品を購入してもらいたかったので、3,000円と10,000円の商品を作りました。そうしたことで、最初に安価な商品を購入し、その品質や価値を実感していただいた後、より高価な商品へ興味を持ってくれるお客様もいらっしゃいます。
そうすることで、本来の商品の価格を下げずに入口商品を提供することで、ブランドの価値を落とすことなく新規顧客も獲得できるのです。
価格を上げると客層も変わる
私の場合、価格を徐々に上げていくにつれて、お客様の層も変化しました。
以前は商品を「高い」と言う人はもちろん、乱雑に商品を扱う人もいましたが、価格を上げてからはそういった方々はほぼいなくなりました。
代わりに、商品を丁寧に扱ってくれる方や購入後も大切に使ってくださったりと、シリーズとして新作を待っていてくれるお客様も増えました。
この経験から、適切な価格設定は単に利益を確保するだけでなく、あなたの作品を本当に理解し、大切にしてくれるお客様との出会いにもつながることがわかります。価格を上げることを恐れずに、あなたの作品にふさわしい価値を設定することが重要です。
まとめ
minneやCreemaで見かける原価ギリギリの商品と自分の商品を比べる必要はありません。それらは趣味や赤字覚悟で売っているか、転売品(ハンドメイドサイトでは本来禁止行為です)の可能性が高いからです。
大切なのは、あなたの作品の真の価値を理解し、それをお客様に伝えること。そして、その価値にふさわしい対価を得ることです。あなたの情熱と技術が詰まった作品には、必ず価値があります。
イベントやネット販売、SNSなどを通じて、作品へのこだわりや制作過程を見せることで、その価値をより効果的に伝えられます。落ち込んで「ハンドメイド作家辞めよう…」とは思わず、自信を持って、あなたの作品の素晴らしさを伝えていきましょう。