委託販売が気になるけど、どこがいいのかな?委託する時に気を付けることはあるかな?
立地や店の雰囲気、自分の作風に合った場所を探すのがコツですよ。単に人気だからといって、すぐに委託するのは避けましょう
「素敵な作品を作れた!でも、どうやって売ろう…?」
そんな悩みを持つハンドメイド作家さん、いませんか?
Web販売やハンドメイドイベントやマルシェ出店以外にも、自分の作品をお店に置いてもらって販売する「委託販売」という方法があります。
でも、「委託販売って、実際どうすればいいの?」 「手数料とか、気をつけることとかあるのかな?」と不安に思う方もいるかもしれません。
そこで今回は、ハンドメイド委託販売を始めるにあたって、お店選びから契約、注意点まで、具体的に解説します。
委託販売で失敗しないお店選びの6つのポイント
お店選びで失敗しないためには、以下の6つのポイントを押さえておきましょう。
1.作品ジャンルに合っているか
大切なのは、自分の作品ジャンルに合ったお店かどうかです。例えば、ナチュラルテイストの雑貨を販売しているお店に、ゴシックなアクセサリーを置いても、お店の雰囲気と合わないため、お客様の目に止まりにくくなってしまい、なかなか売れません。
2.来店率は高いか
どんなに素敵なお店でも、お客さんが来なければ商品は売れません。実際に足を運んで、客層や来店頻度をチェックしてみましょう。お店の立地や周辺環境も要チェック!駅から近いか、駐車場はあるかなども考慮しましょう。
3.お店の評判は良いか
店舗の評判を調べることも重要です。インターネットでのレビューや口コミ、SNSでの評価をチェックしてみましょう。作家さんへの対応が良いか、売上金の支払いがスムーズか など、事前に情報収集しておくことも大切です。
4.広報活動に積極的か
お店が積極的にSNSなどで商品情報を発信しているかどうかも重要なポイントです。定期的な投稿やストーリーの更新があれば、作品の露出が増えます。写真や文章で商品の魅力を伝えてくれるなど、作家の作品をしっかりと紹介してくれる店舗が理想的です。
5.出店料や手数料は?
委託先の出店料や手数料を確認することも必須です。高額な料金がかかる場合、利益が減少する可能性があります。料金の詳細を明確に確認し、契約前に予算計画を立てることが重要です。
※具体的な料金相場は後ほど解説します
6.オーナーや店員の雰囲気は良いか
委託販売では、オーナーや店員の雰囲気はもちろん、ハンドメイド作家や商品に敬意を払っているかを見極めることが大切です。単なる商売としてではなく、作品の価値を理解してくれる店舗を選びましょう。対応の仕方で、敬意を払った対応が行われているかも確認できます。
遠方で店舗に行くことができない場合はメッセージ等でやり取りして、対応の丁寧さや質問への返答の早さなどもチェックしてみましょう。誠実で親切な対応をしてくれる店舗であれば、安心して委託を始められるはずです
【体験談】ハンドメイド作品への理解があるお店だと安心感が違う!
これまで複数の委託販売を経験してきましたが、特に印象的だったのは、オーナー自身が元ハンドメイド作家さんだったり、ハンドメイドが大好きだったりする方のお店です。
これらの多くのお店は、作品の扱い方やディスプレイはもちろんのこと、SNSでの小まめな発信、納品や売上金の報告なども非常に丁寧で、安心して作品を預けることができました。
単なる『販売』ではなく、『作品を大切に届ける』という意識が強いのです。
作品に対する愛情や理解があるお店と出会えると、作家活動のモチベーションもさらに高まりますよね!
一方で、表面上はキラキラした人気の店舗のように見えても、ハンドメイドに理解が薄く、単純にビジネスとして経営している店舗もあります。
そういった店舗は、店舗側の都合を優先した厳しい規約があったり、こちらから問い合わせないと進捗や返信がなかったり、ということもあります。返送時の梱包が雑で商品が破損していた…なんていうケースも経験しました。
委託をする際は、事前にその店舗の想いやSNSやWeb上での作家さんやお客様の口コミを調べたり、実際に足を運べるなら直接店舗に視察にいくのがベストです
委託販売の手数料と費用の詳細
委託販売では、出店料や売上に対する手数料だけでなく、発送費用や売れ残り商品の返送料など、さまざまな費用が発生します。契約前にこれらの費用負担についてしっかり確認しておくことで、予期せぬ出費を防ぐことができます。
売上手数料の一般的な相場
追加費用
発送・返品の費用負担について
- 発送費用
作品を店舗に送る際の送料は、通常作家負担となります。遠方の店舗に委託する場合は、送料が高くなることを考慮しましょう。 - 返品時の費用
作家側の理由での返品(例:契約終了や自己都合)は、返送料を作家が負担するのが一般的です。一方、店舗側の不適切な取り扱いや破損が原因の場合は、店舗が送料を負担する場合もあります。 - 売れ残り商品の返送
売れ残り商品の返送料も、作家負担となるケースがほとんどです。契約時に返品条件や送料負担について明確にしておくことが重要です。
トラブル防止のポイント
細かい条件を事前に確認して、書面での合意をします。初回は少量で試すことをおすすめします
委託販売契約前に確認すべきこと
契約内容(手数料、期間、商品の納品・返品方法など)
委託販売では、お店に支払う手数料が発生します。手数料率はお店によって異なるため、事前に確認しておきましょう。その他、契約期間、商品の納品や返品方法なども、トラブルを防ぐため、契約前にしっかり確認しましょう。
売上金の支払い方法と時期
売上金の支払い方法と時期も重要なポイントです。月毎にまとめて支払われる場合や、一定金額に達したら支払われる場合など、お店によって異なります。
商品の保管・ディスプレイ方法
大切な作品を預ける以上、商品の保管やディスプレイ方法も気になるところ。お店がどのような体制で作品を扱っているか確認しておきましょう。
委託トラブル発生時の対応
万が一、トラブルが発生した場合の対応についても、事前に確認しておきましょう。
特に発生しやすいのは、返送時に作品が破損するケースです。
契約書に返送時の対応が明記されていない場合や、記載があっても梱包が不適切だった場合には、委託店舗には民法第644条に規定されている『善管注意義務』が適用されます。
『善管注意義務』とは、預かった商品を適切に管理し、安全に返送する責任のことです。
そのため、最初の梱包方法と異なり、明らかに破損するような不適切な梱包で返送した場合には、委託店舗側に補償の責任が生じる可能性があります。
このような状況になった際は、善管注意義務違反を指摘し、委託店舗に適切な補償を求めることができます。泣き寝入りせず、状況を確認したうえで写真を撮るなど証拠を残し、誠実に交渉しましょう。
重要なのは費用だけで判断するのではなく、お店のブランドイメージ、顧客層、販売力、そして自分のブランド戦略と照らし合わせて最適な販売先を選ぶことです
まとめ
ハンドメイド作家として、作品を委託する際には多くの点に注意が必要です。
立地や店の雰囲気、広報方法、オーナーや店員の雰囲気、出展料や手数料などを慎重に確認することで、トラブルを防ぎ、作品の販売を成功させることができます。
初心者の方々も、これらのポイントを参考にしながら、自分に最適な委託先を見つけてみてください。